プロフィール

チェンバロと、共に息を吸う
Masahiro Adachi

チェンバロに限らず物を作るのは楽しい。

たとえば、コップ一つを作るにもどんな形にするのか、良く考えてみれば、ガラスで作るとなるとガラスの知識、製法、道具、経験が必要になる。自分の気にいる形は、色は? 出来てみれば、使い心地は、コップの縁の口当たりは?知らないうちに人生のすべて、感覚の全てにコップを作る行為は関わってくる。一方外では他の製作家の作品の素晴らしさ才能に感動するようになる。

今まで無意識に通り過ぎていた行為、感覚の一つ一つが意識され、自分に問いかけ 知らなかった自分の感覚と人間の持っている才能に驚く。

呼吸もいちいち意識しないでするものである。
しかし、音楽もスポーツも心の状態も、この一瞬一瞬の呼吸を意識しコントロールすると今までの何倍も自分の能力を開放できる。
人生も一瞬一瞬の連続である。この一瞬を味わうきっかけを与えてくれたのがチェンバロであった。

私にとってチェンバロを作ることは一瞬一瞬を意識することである。こう作ったらどうなるのか、この材料はどんな響きを生むのだろう、なぜ過去の製作家はこうしたのか、もっと心の奥に響く音色とは何なのだろうか。自分の感覚へ問いかけ、どう製作するかを決定し、結果をまた味わう。一秒ごとに自分の中に生まれてくる感覚、感情を味わうことをさせてくれるそんな行為がわたしにとってはチェンバロを作ることである。

なぜ、音に感動するのだろうか?どんな音色に自分は魅せられるのだろうか?
過去のチェンバロ製作家達の作品そして作曲家たちの作品を研究しながら、時代の違い環境の違いから生み出された多様なチェンバロの美しさに誘われて、いつしか人類の作り上げた芸術という世界に魅了されてしまう。

私はチェンバロとともに今日も息を吸う。

チェンバロと、共に息を吸う
フランスの修道院でのチェンバロコンサートサービス フランス時代、チェンバロ製作 フランス時代、チェンバロ製作
フランスの修道院でのチェンバロコンサートサービス フランス時代、チェンバロ製作(30歳) フランス時代、チェンバロ製作(30歳)
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フランスから帰国、名古屋に工房を開いた時,母と一緒の写真です。(34歳) 名古屋、東京を中心に全国にチェンバロを納品しています。依頼された各種チェンバロ講座も行っております。(現在) 名古屋、東京を中心に全国にチェンバロをレンタル調律コンサートサービスを行っています。(現在)