チェンバロ製作家安達正浩 – クラヴサン工房アダチ
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チェンバロフレンチモデル・二段鍵盤 | 松本記念音楽迎賓館 納
チェンバロモデルに合わせた椅子例
他のチェンバロ椅子例
松本記念迎賓館のフレンチ二段鍵盤チェンバロは、18世紀初頭パリで活躍したチェンバロ製作家ブロンシェ一族の楽器を基本にブロンシェの死後その工房を継いだその弟子パスカルタスカンのアイデアを取り入れ、安達正浩が設計製作したチェンバロです。
製作法、素材、塗装法、装飾は18世紀当時の方法を忠実に再現しております。楽器本体はポプラ、響板はエピセア(松科トウヒ)鍵盤は菩提樹にアフリカ産フランスのカーン港に陸揚げされた黒檀をナチュラルキーとしシャープキーはフランス産洋ナシ材をカンペッシュのタンニンを酸化黒色に染め牛骨を脱色したものを張り付けてあります。楽器本体の接着は牛の骨、皮、筋等から抽出されたゼラチンを適切に調合した膠を使用、塗装下地にはウサギの膠に炭酸カルシウムを混合したもので作り、研磨した上にニスに顔料を混合して製作した塗料で漆風に仕上げてあります。最後に金箔装飾バンドによる典型的なシノワズリー装飾をいたしました。
楽器脚部分はルイ15世スタイルの猫脚スタイルで18世紀当時最も美しいと思われる現存するアンリエムシュの楽器の脚のデザインを採用しました。脚客席側前面には隠し引き出しを持つ素敵なアイデアが用いられております。楽器響板部分の装飾は花装飾で、奏者側には枯れ木に鳥が止まり歌を歌う象徴画が描かれ一度木としての命を失った木材が再び楽器となって歌を歌うという再生のメッセージが表現されております。楽器全体の装飾は漆塗りの東洋的お椀をイメージさせます。18世紀当時東洋は知と芸術の国と認識されており、明代の景徳鎮その後の日本の伊万里港から輸入される陶磁器や漆で装飾された調度への憧れがうかがわれます。18世紀フランスのチェンバロの装飾の典型と言える黒に朱の装飾は西洋の美意識が東洋をイメージして作り上げた洗練の装飾の一つといって良いでしょう。
鍵盤 | 下(主)鍵盤 | 8、4フィート 2列の弦 |
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上鍵盤 | 8フィート1列の弦 | |
バフストップ装備 | ペダルなし | |
音域 | FF~f3 61鍵(5オクターヴ) |
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ピッチ | a1=398Hz~440Hz (ピッチ可変トランスポージング機構付) |
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寸法 | 奥行2m35cm 幅95cm 厚さ30cm (脚部含まず) |
ケース | ポプラ |
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響 板 | エピセア |
ピン板 | フランス樫 |
ジャック | 梨 |
タング | フランス柊 |
ジャック・バネ | いのしし背毛 |
鍵盤 | 黒檀張(黒鍵)、黒染梨材牛骨張 |
弦 | マルコム・ローズ製作クラヴサン用特殊弦(中高音:鉄、低音:真鍮) |
爪 | 羽軸またはデルリン(フォーゲル鋳造) |