チェンバロ製作家安達正浩 – クラヴサン工房アダチ
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後期チェンバロフレンチモデル・二段鍵盤 | 三重県 個人蔵
チェンバロに魅せられ(新聞記事)
新聞記事の写真
チェンバロモデルに合わせた椅子例
他のチェンバロ椅子例
フランス革命で絶対王政の崩壊する18世紀最後の四半世紀にパリでブロンシェ工房を引き継いで活躍したパスカルタスカンのチェンバロに基づいて安達が設計した後期フレンチ二段鍵盤クラヴサン(チェンバロ)です。タスカンの活躍したパリではフォルテピアノが新しく音楽の世界に登場し、その利点をチェンバロにも取り入れようと膝ペダルによる高速ストップ切り替え機構、ポードヴフと呼ばれる鳥の羽軸の代わりに皮のツメを用いるフォルテピアノ風ストップなど様々なアイデアが試される時代でした。チェンバロ製作家タスカンは爛熟した一つの文化が方向性を失って変化を模索するまさに世紀末デカダンスの雰囲気を持っていた時代に生きていました。
17世紀頃のフランス土着のチェンバロの世界に100年前のフランドルのルッカース一族の楽器の人気が高まりその楽器製作法がフランスのチェンバロ製作を一変させます。そのためフランドルのルッカース一族の楽器をより大型化した形ががその後のパリを中心とするフランスのチェンバロ製作の典型となっていきます。ルッカースの楽器をフランスの大型二段鍵盤チェンバロに設計替えする時に弦張力、メイン鍵盤(下鍵盤)プラッキングポイント位置の変更が行われ、その変更こそが新しいフランスチェンバロ特有の音色を生み出します。
タスカンはその師ブロンシェの伝統を引き継いで様々なアイデアを試した製作家といえます。彼の作り出した最大の特徴はチェンバロ本体の構造にあります。今まで構造材が楽器本体の内部を小さく分割していたものを、内部構造材の厚みを従来の二倍にし、高さを二分の一に抑えることにより楽器内部を一続きの共鳴胴としてより低音の共鳴胴として利用し重厚な響きをチェンバロに与えることに成功しています。安達の後期フランスチェンバロタスカンモデルでは、タスカンの意図した重低音の音響の魅力を最大限に表現できるチェンバロ製作を目指してしております。楽器写真の特注チェンバロテーブル脚はルイ十六世様式すなわちマリーアントワネット時代のスタイルでオリジナルタスカンの形で作られております。摂政様式、14、15世様式の猫脚とは一新し、より女性的で洗練された都会的デザインで特に最下部の脚部分が丸く愛らしいつま先立ちの少女を思わせます。
鍵盤 | 下(主)鍵盤 | 8、4フィート2列の弦 |
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上鍵盤 | 8フィート1列の弦 | |
バフストップ装備 | ペダルなし | |
音域 | FF~f3 61鍵(5オクターヴ) |
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ピッチ | a1=398Hz~440Hz (ピッチ可変トランスポージング機構付) |
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寸法 | 奥行2m35cm 幅95cm 厚さ30cm (脚部含まず) |
ケース | ポプラ |
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響 板 | エピセア |
ピン板 | フランス樫 |
ジャック | 梨 |
タング | フランス柊 |
ジャック・バネ | いのしし背毛 |
鍵盤 | 黒檀張(黒鍵)、黒染梨材牛骨張 |
弦 | マルコム・ローズ製作クラヴサン用特殊弦(中高音:鉄、低音:真鍮) |
爪 | 羽軸またはデルリン(フォーゲル鋳造) |