チェンバロ製作

コレクション

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安達正浩製作フレンチ二段鍵盤チェンバロ

チェンバロフレンチモデル・二段鍵盤

チェンバロ装飾

フレンチチェンバロ装飾

安達正浩チェンバロ

フレンチモデル二段鍵盤チェンバロ

楽器はフレンチ二段鍵盤モデルです。装飾は天皇家御用絵師として活躍した土佐派の柳橋水車図をチェンバロの形に合わせてデザインを起こしたものです。土佐弾正広周の六曲一双の屏風に基づいております。この屏風は勅使河原宏監督作品「利休」の一場面に使用されたものを勅使河原プロダクションのご厚意により資料を頂いたものによっています。オリジナルは正式な記録にはなく東京の古美術商の個人蔵とのことでした。楽器本体側面は柳が初夏を象徴すると考え琳派の鈴木其一の朝顔図をデザインの元としました。18世紀フランス、ドイツ等ではシノワズリーと呼ばれる中国趣味が人気を博しておりその流れにより漆風装飾の調度が多く作られました。マリーアントワネットも漆蒔絵の調度を好まれており多くの日本の蒔絵化粧道具コレクションが残されております。現在のフランスにおいてもこの伝統技法を受け継ぐシノワ家具装飾職人が残っております。

当時宮廷においては多くのチェンバロがこの様な漆風装飾をされておりました。このチェンバロの装飾はより日本的なものと言えます。私自身のアイデアとしては琳派的な三分割による大胆な画面構成により単純で解りやすく印象的なことをデザインの中心といたしました。一説にはこの図案は浄土教的世界観を象徴しておりご神木である柳の並木に囲まれた金の橋を渡って彼岸の浄土へ渡っていけますようにとの願掛けではないかとの事です。元の屏風には極楽浄土の象徴である田舎の風景の水車がありますが、チェンバロではデザインの関係上省きましたので行けるかどうかは未解決です。装飾の技法は漆ではなく当時のフランス人が漆に似せて塗装法を工夫したパンチュールアララックという方法によっています。

仕様&素材
仕様
鍵盤 下(主)鍵盤 8、4フィート2列の弦
上鍵盤 8フィート1列の弦
バフストップ装備 ペダルなし
音域 FF~f3
61鍵(5オクターヴ)
ピッチ a1=398Hz~440Hz
(ピッチ可変トランスポージング機構付)
寸法 奥行2m35cm  幅95cm  厚さ30cm
(脚部含まず)
素材
ケース ポプラ
響 板 エピセア
ピン板 フランス樫
ジャック
タング フランス柊
ジャック・バネ いのしし背毛
鍵盤 黒檀張(黒鍵)、黒染梨材牛骨張
マルコム・ローズ製作クラヴサン用特殊弦(中高音:鉄、低音:真鍮)
羽軸またはデルリン(フォーゲル鋳造)