チェンバロ製作家安達正浩 – クラヴサン工房アダチ
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イタリアン ファールスインナーアウターモデル・一段鍵盤チェンバロ
洗足学園音楽大学所有
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ジョバンニ バティスタ ジュスティに基づいたイタリアファールスインナーアウタータイプの一段鍵盤チェンバロです。イタリアのグランドピアノ型チェンバロには大きく分けて二種類のタイプがあります。糸杉素材を基本に作られ楽器全体が木地そのものでヴァイオリンなどと同様の仕上げになったインナータイプと呼ばれるものと、楽器ボディの素材がポプラの木で、内部が松材などで作られたものです。後記のものはポプラ材が木地仕上げでは美しくないため色のある塗装がされます。前者はこの二つのタイプを区別するためインナータイプと呼び、後者をファールスインナーアウタータイプと呼びます。この呼び名の由来はインナータイプのイタリアンがチェンバロとして作られた最初の形で別に用意した楽器の形のケースに収納したので、インナーという呼び名になりました。その後見かけはケースに入れた状態の形に見えるけれど実はケースと一体になっておりインナーは取り出せないタイプのチェンバロが作られるようになりました。見かけだけでインナーは外には取り出せないのでいんちきケース入りチェンバロと呼ぶようになりました。
イタリアンは本体厚みが3mm~5mm程度と薄く発音の立ち上がりが早くドラマチックで瞬発力のある音響を持ちます。このキレのある小気味のいい音質はオペラ等の伴奏として活躍します。またソロの曲においても北ヨーロッパにはない明るさを持ちイタリアの作曲家には欠かせない楽器といえます。(但し現在イタリアンとして作られるタイプより古い時代のインナータイプのイタリアンもあり巨大な響板を持つため合唱などの歌の伴奏に向いているタイプもあります。)説明が長くなりましたが、この楽器は後者のファールスインナーアウタータイプのチェンバロです。音響的にはインナータイプのものと基本的特徴は同じですがより頑丈なため重厚な音響をもち音域も5オクターブを持つためドメニコスカラッティなどの音域の広いバロック後期のレパートリーをカバーできるイタリアンとなっています。装飾はルネッサンス期の画家ゴッツォリの画の中にある唐草模様を金箔装飾として施しました。
鍵盤 | 下(主)鍵盤 | 8フィート2列の弦 |
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上鍵盤 | なし | |
バフストップ装備 | なし | |
音域 | GG~f3 61鍵(5オクターヴ) |
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ピッチ | a1=415Hz~460Hz (ピッチ可変トランスポージング機構付) |
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寸法 | 奥行2m30cm 幅95cm 厚さ28cm (脚部含まず) |
ケース | ポプラ |
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響 板 | エピセア |
ピン板 | フランス樫 |
ジャック | ブナ |
タング | フランス柊 |
ジャック・バネ | いのしし背毛 |
鍵盤 | 柘植と黒檀 |
弦 | マルコム・ローズ製作クラヴサン用特殊弦(真鍮) |
爪 | 羽軸またはデルリン(フォーゲル鋳造) |