チェンバロ製作家安達正浩 – クラヴサン工房アダチ
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チェンバロイングリッシュモデル・一段鍵盤
メサイヤ演奏会使用風景(新聞記事)
イングリッシュタイプ一段鍵盤チェンバロです。1720年頃にロンドンで製作されたウイリアムスミスのチェンバロに基づいたモデルです。イギリスはその成立から独自のチェンバロ製作より他国のチェンバロの輸入が盛んであったと思われます。しかし三角形型のスピネットタイプの需要の為の製作は盛んであったらしく非常に多くのスピネット(全弦真鍮弦のイタリアの影響を感じる)のオリジナルが現存します。全体としてイタリアのチェンバロの影響が濃厚でこのウイリアムスミスの楽器も全弦真鍮弦を用いているためイタリアのチェンバロの弦スケールを基本に設計されています。この楽器はイタリアンの明るさと鳴り良さを特徴としておりますが、クルミで出来た楽器本体はイタリアンより重厚でしっかりとした楽器構造は安定した響きを確保しイタリアンより精神的に落ち着いた音響の魅力を持ちます。
ゲオルグヘンデルの肖像画の一つに自宅で作曲中のヘンデルを描いたと思われる肖像画があり、そこに描かれている楽器と考えられております。メサイア、チェンバロ組曲等の自宅での作曲の様子と音のイメージを想像することができます。真鍮弦の醸し出すふくよかで温かみのある音色は弦楽器や、歌の伴奏にもよく合いアンサンブルにはとても相性の良い楽器といえます。ヴィヴァルディなどのレパートリーにも威力を発揮するチェンバロです。グレートブリテンの歴代の王様の名前からキリスト教由来の名前が少なく、基本的にはイギリス人はヴァイキングの末裔であると考えられます。彼らの仕事が貿易中心であったことから多くの良いものを輸入するというあり方が根底にあり楽器製作にもその伝統があるように感じられます。見かけより物事の本質を大切にする精神はこんなところに原点があるのかもしれません。フランドルのルッカースに注文を発注依頼した際、ルッカース側からのルーベンス工房での装飾提案に楽器は音が良いことが重要なもので、装飾は必要なしとの返信を送っています。
鍵盤 | 下(主)鍵盤 | 8フィート2列の弦 |
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上鍵盤 | なし | |
バフストップ装備 | なし | |
音域 | GG~g3 61鍵(5オクターヴ) |
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ピッチ | a1=415Hz~440Hz (ピッチ可変トランスポージング機構付) |
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寸法 | 奥行2m10cm 幅95cm 厚さ28cm (脚部含まず) |
ケース | クルミ |
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響 板 | エピセア |
ピン板 | フランス樫 |
ジャック | 梨 |
タング | フランス柊 |
ジャック・バネ | いのしし背毛 |
鍵盤 | 柘植と黒檀 |
弦 | マルコム・ローズ製作クラヴサン用特殊弦(真鍮) |
爪 | 羽軸またはデルリン(フォーゲル鋳造) |